第1次形(1〜8,16〜33号機) その3
*16〜19、22〜28、31〜33号機はEF16形 *9〜11号機は2次形、12〜15号機は3次形 |
昭和22年5月〜23年3月に登場した第1次グループの続きです。ここでは三菱製の24〜33号機を紹介します。 なお、この中の26号機がEF15の落成一号機になります。
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三菱製(24〜33号機) |
三菱製1次形の特徴は他に例を見ない独特のデッキ形状です。さらに、同じ三菱製の中でも様々なタイプが存在します。(1次形三菱デッキ)この中で24,25号機は26〜33号機より落成が遅くなっていますが、おそらく製造の遅れていた川崎車輌向けに割り振られていた番号を、予定の33号機まで完成させてなお余力のあった三菱で肩代わりして製造したものと思われます。また、この2両以降、三菱製造機では昭和30年の第10次形まで先輪の担いバネと動輪の釣り合い梁を結ぶバネ吊りリンクが丸棒で、それに連結するバネ吊りと釣り合い梁の先端も標準と異なった独特の形状の三菱式となっています。
側窓4枚の26号機と31号機は旧EF58 8(EF13 25)と同様、整備改造時にどういう訳か機械室中央窓の増設が行われなかったもので、1次形原形姿を残しています。(両端の側窓の引き戸改造は行われています。)
なお、本グループでエアフィルタが大きく車体断面が高いものは26〜29号機で30号機は車体断面は低いもののエアフィルタは大きいタイプと言う過渡的な形態、それ以外はエアフィルタが小さく車体断面が低くなっています。本グループの29,30号機は1次形26両中、EF16に改造されなかった希少なカマです。他の三菱製の1次形EF15はEF16として生涯を全うしました。
前燈の取付台座は30号機がLP402標準のステー式なのを除いて、全て原形のLP42用となっています。なお、運転席側窓の水切りの両サイドは通常下面に行くほどテーパー状に狭くなって行きますが、これが全て同じ幅の三菱タイプが1次形の後半(24、25、30〜33)と同2次形に見られます。
※印…主な特徴です。画像をクリックすると大きなものが表示されます。
注:履歴の記事中の各項目は工場出場日。そのためEF16改造日とずれているものがあります。
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EF15 24=EF16 29〔水上〕 |
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三菱製EF15のトップナンバーですが、実際に落成したのは33号機の後になります。これは、おそらく製造の遅れていた川崎のナンバーを余裕のあった三菱に回した為と思われます。その為、車体断面は低く、エアフィルタは小さなタイプになっています。
なお、この24号機も前燈取付方法が原形と同じ為、ヘッドライトは車体前面とツライチになっています。避雷器はパンタグラフとベンチレータとの間に取り付けられています。LP402のランプケースは大形には見えないのですが、なぜ、前燈後ろに避雷器が付けられなかったかは謎です。この辺り、1次形については法則性があるようで無くて困りもの。ちなみにこちらは1エンド側。
※車体断面低 エアフィルタ小 第1・第5側窓中央 水切り三菱タイプ 先輪後位バネ吊り三菱タイプ 避雷器パンタ後ろ取付 前燈取付位置原形 前燈小
上り貨物 越後中里―越後湯沢 1980.8.2 |
製造:S23.3.22
三菱電機・三菱重工
No.576/344
使用開始:S23.4.9
EF16改造:S33.1.23
国鉄大宮工場
廃車:S55.10.13
移動:
S23.4.3 国府津
S24.3.30 長岡第二
S33.1.24 水上貸
S33.3.14 長岡第二返
S39.9.29 水上
S55.10.1 1休指定
S55.10.13 工車680号により廃車
最終走行:
S55.9 2,600,862km
記事:
●S23.12.15〜24.2.18 日立:整備改造・パンタグラフPS14に取替
●S27.1.16〜1.19 大宮甲修:屋根雨樋取付
●S29.5.7〜5.15 大宮甲修:避雷器箱鉄製に取替・雪掻車電燈用電源取入口取付
●S31.11.6〜11.13 大宮甲修:先輪担いバネ改造・避雷器増設
●S32.11.26〜33.1.23 大宮丙修:EF16改造
●S35.11.15〜11.25 大宮臨修:ブレーキ装置EL6A→EL14ASに改造
●S37.3.23〜3.29 大宮臨修:前窓Hゴム改造・自動窓拭器取付
●S38.3.16〜3.25 大宮甲修:デフロスター取付
●S41.9.22〜10.5 大宮甲修:先輪軸受コロ式に改造
●S45.8.20〜8.31 大宮全検:避雷器LA15に取替
●S47.9.6〜9.21 大宮要検:昇降段改造 |
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2エンド側。デッキのステップ部分と前端バリ脇をつなぐステーの向かって右側が1エンド側と異なっています。1エンド側はブレーキ管の上に取り付けられていますが、こちら側はその下に付いており、正面から見ると左右非対称になっています。下の落成間もない本機の写真は左右対称になっており、後の改造によるものと分かります。同様なタイプを28号機(EF1626)のやはり2エンド側に見ることができます。
水上機関区 1980.8.2 |
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こちらも2エンド側。デッキステップの下部がボルト止めになっているのは、スノウブロウ取付初期(EF16改造前)にその取付時にデッキステップの下部4分の1ほどを取り外していた名残りです。前述のステップステーが左右非対称になっているのも良く分かります。
履歴中にある「先輪担いバネ改造」は、初期のEF15(1次〜9次形?)の先輪担いバネの板バネ枚数が7枚のものを8枚に改造したものと思われます。また、「先輪軸受コロ式に改造」と言う項目ですが、これはEF15の先輪軸受は車輪内側に軸箱を持つ内軸箱式で、製造当時は動軸と同様のコロ式(テーパーベアリング式)を採用することができなかったものを、その後の技術進歩によるベアリングの小形化で可能になった為、改造されたものです。この改造は全機には及んでいないようですが、履歴を見る限り、かなりの両数が施工されたようです。
また、両標識燈の外側に3点でネジ留め?された小さな丸い蓋が見られます。下の引っ掛け式標識灯時代の写真を見ると、この位置が標識燈の電源を車体に引き込んでいる辺りになり、その名残りかもしれません。
水上機関区 1980.5.3 |
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第二次大戦終戦後わずか2年で登場したEF15ですが、EF58同様、不具合多発で落成から数年で各種装備改造が施され原形が失われています。その間の記録は、戦後の混乱期と言うこともあって両機とも極めて少ないのが現状です。
さて、数年前に某オークションにて昭和23年5月に撮影された新製間もない24号機(昭和23年3月落成)のプリントを2枚入手しました。撮影者が不明の為に公開するか迷ったのですが、新製当時のEF15一次形の貴重な資料(雑誌等でも未発表)の為、皆様にもご覧頂きたく公開させて頂きました。(問題あればご連絡下さい。)
ちなみに向かって左が2エンドになります。
以下、EF15一次形について資料等に記されていた内容と相違する点について、箇条書きにてあげてみます。
1.PS13パンタ姿(装備改造前)だが抵抗器室屋根にガーランドベンチレータ、側窓には中央窓が設置されている。また、第1・第5側窓は固定窓ではなく引き戸になっている。
2.同機の車体は正面扉を見ても分かるとおり低いタイプだが、一部の文献で言われている抵抗器室屋根がその分、高くなっているようには見えない。(晩年の写真を見てもそうですが…)また、低屋根化に伴いパンタ取付位置が435mm外側に移設されたと言われているが、この写真を見る限り図面の原形位置とほとんど変わらない様に見える。
3.装備改造前の原形では砂箱は全て動軸の前位側に取り付けと言われていますが、既に第2動輪は後位側になっています。
1については機関区レベルで改造したとは考え難く、製造時期によって徐々に改善されて言った可能性が高いと思われます。
2については色々と識者にお話をお伺いしましたが、車体低の改装前の図面は存在しないようで、結論ははっきりしていません。このような実機の当時の写真が発見されていけば少しずつ真相が見えてくる気がいたします。(こうなるとある面考古学のような感じですね ^^;)
3については機関区回着後、実用に合わせて換装された可能性も高いと思いますので、落成時からこの形態かはこの写真だけでは判断できかねます。
個人的には同じ三菱製の26号機の落成から10ヶ月経過し、その間の世情や物資供給の安定、現場からのフィードバック等から、1と同様、既にこの形で落成しているのでは無いかと考えます。
撮影者不明 国府津機関区 1948.5 |
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こちらも同じく2エンド側です。前面窓にはつらら切りも無くすっきりした原形EF15の顔立ちが印象的です。一枚目の写真でもそうですが、新製直後にもかかわらず、外板はしわしわ、窓ガラスも波打っているのがまだまだ戦後の混乱期を感じさせます。ワイパーは手動式で、良く見ると窓から外にはみ出ないようにストッパーが窓際に設置されています。EF15の1次・2次形の引っ掛け式標識燈の取付位置(高さ)は大きく分けて3種あり、車体下面近く(2,32,33など)、本機に見られる最も標準的な位置(4,7,8,9,10,11,24など)、車体上方ナンバープレート下面近く(16,17,18,19,20,21,40などおそらく川崎製のみ)となっています。先輪はプレート式で排障器は先端に何も無く単なる枠だけです。
また、この写真で興味深いのは、デッキ昇降段の下部が、取り外し可能な形に既になっている点でしょうか。これは、初期のEF15の雪かき器は取り付け時にデッキのこの部分と干渉するので、ネジで取り外し出来るようにした物なのですが、てっきり配属先で加工した物だと思ってました。どうやらこれも、同機の様に新製時からなっていた物もありそうです。
なお、EF1524は後のEF1629ですが、前端バリやデッキまわりの形状には大きな変化が無いことが分かります。それでも、連結器開放テコの形状、デッキステップの車体へのステーの取付位置が変更(この写真側、2エンド3位側の前端バリ側面に手歯止め掛け設置に伴う)されています。
また、初期の三菱製EF15(一次形24,25〜10次形)の特徴でもある先輪の担いバネと動輪の釣り合い梁を結ぶバネ吊りリンクが丸棒になった独特の形状も良く分かります。
撮影者不明 国府津機関区 1948.5 |
EF15 25=EF16
31〔水上〕 |
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24号機に続いて落成した本機は三菱製1次形の最後に製造されました。同じ三菱製の28号機(EF1626)と比べ車体断面の違いや連結器解放テコの取付方法など細かい差異がお分かり頂けるでしょうか?また、本機の先輪の後位側バネ吊りも三菱タイプです。
※車体断面低 エアフィルタ小 第1・第5側窓中央 水切り三菱タイプ 先輪後位バネ吊り三菱タイプ 正面扉横手すり 前燈取付位置原形 手動式ワイパー取付跡 前燈小
水上機関区 1980.5.3 |
製造:S23.4.27
三菱電機・三菱重工
No.577/345
使用開始:S23.5.24
EF16改造:S33.3.31
国鉄大宮工場
廃車:S55.6.6
移動:
S23.5.18 国府津
S24.3.31 長岡第二
S53.10.2 水上
S55.5.17 1休指定
S55.6.6 工車165号により廃車
最終走行:
S55.5 2,685,427km
記事:
●S23.12.15〜24.2.26 日立:整備改造
●パンタグラフPS14に取替
●S26.3.30〜4.7 大宮甲修:雪掻車電燈用電源取入口取付
●S30.3.18〜3.26 大宮臨修:レール撒水装置取付
●S33.2.13〜3.1 大宮丙修:EF16改造・前燈整備・避雷器増設・避雷器箱鉄製に取替
●S36.2.25〜3.7 大宮臨修:ブレーキ装置EL6A→EL14ASに改造
●S38.1.26 区修:デフロスター取付・自動窓拭器取付
●S39.11.16〜11.26 大宮甲修:標識燈埋込改造・標識燈に赤円板取付
●S42.12.12〜12.20 大宮全検:先輪軸受コロ式に改造
●S47.4.14〜4.27 大宮全検:避雷器LA15に取替 |
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同機はかつてEF15時代の昭和30年に26号機に続き、福米形と同様のレール撒水装置を試験的に搭載していました。その為、屋根上にその取付跡がはっきりと残っています。取り外された時期の詳細は不明ですがEF16改造後しばらくして撤去されたようです。
撮影:S.Hiramatsuさん(Passenger
Cars Room) 越後中里―越後湯沢 1979.1 |
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同機の前燈取付位置も原形です。避雷器は標準的な前燈後ろです。前燈LP402のランプケースには奥行きの違いで2種類あり、これは小さいタイプです。
水上機関区 1980.2.17 |
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EF15139と重連で水上を発つ。後ろに続く標準形EF15と比べると、車体断面が低いことが良く分かります。 また、車体中央部が経年でスウェイバックしているのが分かります。
撮影:EF5853さん 6765レ 水上付近 1980.2.10 |
EF15 26=EF16
24〔水上〕 |
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三菱製EF15の落成第1号であると共に、全EF15でも最初の落成機となった26号機。車体断面は当然高くエアフィルタも大きなタイプです。また、本機は種車である1次形EF15の原形である側窓4枚姿を残した変形機で、同タイプに28号機がありました。さらに本機は屋根上の抵抗器室ベンチレータの取付もEF15中唯一行われていませんでした。避雷器は1エンド側は前燈後ろ、2エンド側は抵抗器室カバー後ろに取り付けられていました。こちらは2エンド側。
※車体断面高 側窓原形 抵抗器室通風口無し(EF15 1次形原形) デッキ梯子ステー変形 エアフィルタ大 第1・第4側窓内寄り 前燈取付位置原形 前燈大?
撮影:Y.Nishinoさん(Y.Nishinoのホームページ) 水上―湯桧曽 1975.8 |
製造:S22.5.30
三菱電機・三菱重工
No.560/332
使用開始:S22.6.27
EF16改造:S32.2.27
国鉄大宮工場
廃車:S54.10.19
移動:
S22.6.13 国府津
S22.12.14 長岡第二
S32.2.28 水上
S53.10.2 1休指定
S54.10.19 工車729号により廃車
最終走行:
S53.9 2,186,712km
記事:
●S25.2.5 大宮:パンタグラフPS14に取替
●S257.20〜.7.31 大宮甲修:雪掻車電燈用電源取入口取付
●S28.4.21〜4.30 大宮甲修:屋根雨樋取付
●S29.11.5 大宮臨修:レール撒水装置取付
●S31.10.26〜11.1 大宮丙修:先輪担いバネ改造
●S32.1.10〜2.27 大宮臨修:EF16改造・避雷器増設・避雷器箱鉄製に取替
●S34.7.15〜7.22 大宮甲修:自動窓拭器取付・標識燈埋込改造
●S36.L27〜2.9 大宮臨修:ブレーキ装置EL6A→EL14ASに改造
●S40.9.21〜10.1 大宮臨修:先輪軸受コロ式に改造
●S42.6.19〜6.28 大宮全検:雪掻車電燈用電源取入口取外
●S50.7.2〜7.11 大宮全検:前窓Hゴム改造 |
pre.jpg) |
こちらは1エンド側。石打で休車中の哀れな姿。三菱製1次形のデッキ形状は実に多様となっています。その辺りの詳細は1次形形態解説をご参考下さい。前燈取付方法は原形のLP42と同じタイプです。
本機も履歴を見ても分かるとおり、25号機同様EF15時代の昭和29年に屋根上にレール撒水装置を取り付けています。やはりEF16改造後まもなく取り外された模様ですが25号機と異なり屋根上にはその痕跡は残っていません。
撮影:EF5853さん 石打 1979.8.9 |
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連結器周りの形状に三菱製EF15一次形の特徴が出ています。車体断面の高い同機の車体は正面から見ると正方形に近いイメージです。
撮影:Y.Nishinoさん(Y.Nishinoのホームページ) 水上機関区 1975.8 |
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本機はEF16で一番最初に運用を離脱。この写真の1か月半後に休車になり、そのまま復帰することなく廃車になっています。
撮影:初瀬春日さん(がたごと列車) 下り貨物 水上―湯檜曽 1978.8.17 |
EF15 27=EF16
25〔水上〕 |
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車体断面が高くエアフィルタの大きな27号機。三菱製の同機のデッキはなぜか日立の1次形タイプとなっています。6号機の項でも説明しましたが日立製の6号機は三菱製1次形タイプのデッキとなっており、この27号機と6号機の足回りがそっくり入れ替わっている可能性が高いです。6号機のデッキ形状が各種ある三菱タイプデッキの中で次の28号機とほぼ同じ形状となっている事からも、ほぼ間違いないと思われます。
※車体断面高 第1・第5側窓中央寄り エアフィルタ大 日立タイプデッキ 前燈取付位置原形 手動式ワイパー取付跡 前燈小
3001レ「北陸」 水上 1980.8.2 |
製造:S22.6.28
三菱電機・三菱重工
No.561/334
EF16改造:S31.10.19
国鉄大宮工場
廃車:S57.3.24
移動:
S22.7.14 高崎第二
S22.8.31 長岡第二
S31.10.20 水上
S57.3.24 廃車
記事:
●S31.10.19 大宮:EF16改造 |
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水上機関区検修庫内に佇むEF1625。日立タイプの一次形デッキが良く分かります。 前面窓の外隅に丸い突起が見えますが、これは最初に設置されていた手動式ワイパーの取付跡です。ちなみにこちらも2エンド側です。
水上機関区 1980.2.17 |
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こちらは1エンド側。同機の前燈取付方法も原形のLP42と同じタイプです。
撮影:川崎大輔さん 石打 1979.2 |
EF15 28=EF16
26〔水上〕 |
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EF15149と力を合わせて三国峠を行く28号機。こちらは2エンド側です。同機も車体断面は高くエアフィルタが大きな初期の車体です。三菱製のデッキは他社の物に比べてデッキ部と前端バリとの接合面に特徴があります。本機も24号機同様デッキのステップステーの2エンド側が左右非対称になっています。前燈取付位置はやはり原形ですが、避雷器は標準の前燈後ろに位置しています。
※車体断面高 第1・第5側窓内寄り エアフィルタ大 前燈取付位置原形 手動式ワイパー取付跡 前燈小
下り貨物 越後中里―越後湯沢 1980.8.2 |
製造:S22.8.20
三菱電機・三菱重工
No.562/335
EF16改造:S32.3.30
国鉄大宮工場
廃車:S55.10.29
移動:
S22.8.20 高崎第二
S22.9.1 長岡第二
S32.3.31 水上
S55.10.29 廃車
記事:
●S32.3.30 大宮:EF16改造 |
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水上機関区で顔を並べる28号機(左)と25号機(右)。両機は同じ三菱製ですが落成は28号機の方が8ヶ月ほど早くなっています。車体断面や連結器解放テコ周りの形状など、落成時期の違いによる差異が面白いです。
水上機関区 1980.5.3 |
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運用を外れ石打駅構内で留置中の同機です。1エンド側ですがデッキステップステーが左右対称なのが見て取れます。
撮影:NIROさん 石打 1980 |
EF15 29〔東京〕 |
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26両の1次形中で30号機とともにわずかにEF16に改造されなかった希少なカマです。当然前面の通風口も未取付で、純然たるEF15としては1次形の原形を晩年まで良く残していました。側窓の両端には配置当時単線だった上越線時代のタブレット保護柵が残っています。戦後まもなくの製造のためか車体外板がべこべこです。こちらは2エンド側です。
車体断面は高くエアフィルタは大きなタイプ、第1・第5側窓はやや中央寄りです。なお、同機も前燈取付位置は原形です。避雷器は1エンド側は前燈後ろ、2エンド側がパンタグラフの後ろ側、抵抗器室モニタ手前に付けられています。つらら切りは小形で直線的な標準タイプです。ちなみにこの写真は2エンド側。
デッキ形状は、前端バリの連結器解放テコが鋼板の内部に隠れた独特のもので、このタイプが三菱製1次形としては標準的です。
※第1次形原形 車体断面高 エアフィルタ大 第1・第5側窓中央 側窓タブレット保護柵 砂箱少 通風口無し 前燈取付位置原形 常磐線列車無線 避雷器1エンド前燈後ろ・2エンド中央取付 前燈小
671レ(多分) 恵比寿―渋谷 1979.6.1 |
製造:S22.8.15
三菱電機・三菱重工
No.571/336
使用開始:S22.9.9
廃車:S54.8.16
移動:
S22.8.30 長岡第二
S33.8.3 新鶴見
S35.5.25 宇都宮
S43.7.13 新鶴見
S47.3.15 東京
S54.7.12 1休指定
S54.8.16 廃車
最終走行:
S54.7 2,303,996km
記事:
●S23.5.12〜7.24 日立:整備改造・前ヒサシ取付
●S25.1.8〜1.13 大宮臨修:パンタグラフPS14に取替
●S26.2.20〜2.28 大宮甲修:雪掻車用電源取入口取付
●S29.1.26〜2.3 大宮甲修:パンタグラフPS15に取替・屋根雨樋取付
●S29.7.26〜7.31 長岡第二区修:パンタグラフPS14に取替
●S31.6.19〜8.1 大宮甲修:避雷器箱鉄製に取替
●S33.10.28〜11.5 大宮丙修:標識燈埋込改造
●S34.11.4〜11.10 大宮丙修:前燈整備
●S35.8.8〜8.22 大宮甲修:制動装置EL6A→EL14ASに改造
●S39.8.21〜8.29 大宮甲修:標識燈に赤円板取付
●S47.6.19〜6.30 大宮全検:避雷器LA15に取替 |
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タケチャンマンさん撮影の原形小窓時代。こちらは1エンド側です。
「田端機関区で昼寝を決め込んでいる姿です。常磐線用のアンテナは乗せられてますが、この頃はまだ東京機関区の機関車の特徴であった、デッキ昇降ステップ下部の白色塗装は施されてません。避雷器の取り付け位置も前後で不一致で、EF16から復元されなかったものを除くEF15の中では希少です。」(タケチャンマンさん)
撮影:タケチャンマンさん 田端機関区 1974.6 |
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こちらも1エンド側です。
「一枚目と逆サイドを望遠で撮った写真で、場所は同じ田端機関区です。以前送ったEF158の写真と同じ日に撮ったものです。車体の凸凹状態が良く判ります。まだ前面窓はHゴム化されてませんし、相変わらずデッキ昇降ステップ下部の白色塗装も施されてません。」(タケチャンマンさん)
撮影:タケチャンマンさん 田端機関区 1975頃 |
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こちらは2エンド側です。こちら側の前面扉のドアノブは縦形です。
「この頃には正面窓はHゴム化され、東京機関区の所属を示すデッキ昇降ステップ下部の白色塗装も施されてます。連結器解放テコの付け方も、EF1530とは異なってます。不意にやってきたため撮影場所やアングルも考える間が無く、EF15一次型らしさを出すことができませんでした。」(タケチャンマンさん)
撮影:タケチャンマンさん 東浦和―浦和 1980頃 |
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新鶴見で待機中の29号機の1エンド側です。こちら側の前面扉のドアノブは横形です。ワイパーは左右ともWP35でしょうか。1976年8月の姿で前面窓がHゴム支持化されています。デッキ昇降ステップ下部の白色塗装はこの段階でも施されていません。本機の車体断面は高いのですが、車体中央部が結構垂下しているのが見て取れます。 戦後間もない昭和22年製の為か外板のしわしわ具合が激しくなっています。
撮影:BINさん 新鶴見 1976.8.14 |
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同じく新鶴見で待機する29号機。EF15の場合、前部標識灯掛けは通常前燈の取付台座部分に設置されていますが、三菱製一次形のみ前面扉の上方に直接溶接されています。
この1エンド側のみ鋳型の問題か前端バリに段差が見られます。
撮影:BINさん 新鶴見 1976.8.14 |
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同じくBINさん撮影の同機1エンドR側です。冬の斜光で足周りがくっきりです。
撮影:BINさん 1262レ 入江 1979.2.16 |
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同じく1262レを牽き入江駅に進入するシーンですが、こちらは2エンド先頭です。1エンド側に見られる前端バリ上部の補強はこちら側には見受けられません。艶のある車体でかえってベコベコの外板が目立ちます。
撮影:BINさん 1262レ 入江 1979.2.8 |
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これも同じく1262レを牽き入江駅に進入するシーンでこれは1エンド側です。高島貨物線に数多くあった引き込み線もすっかり無くなり寂しくなりました。
撮影:BINさん 1262レ 入江 1978.12.8 |
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EF58などと共に田端機関区で憩う29号機1エンド側です。前端バリの段差が側面まで回り込んだ様子が確認できます。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん 田端機関区 1976.8.6 |
EF15 30〔東京〕 |
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29号機と同じく1次形中でEF16改造が行われなかった30号機。つらら切りの形状が通常のタイプとは異なり奥行きが短く角張った独特の物で、一度見たら忘れられない強烈な表情です。このつらら切りは同機の履歴にもあるとおり、当初つらら切りが無かった1次形に対して取り付けられたタイプがそのまま残ったものです。同タイプをEF15時代の18号機(後のEF1623)も付けています。
前面の通風口は29号機同様未取付でモニタルーフも当然ありません。側窓両端にはやはりタブレット保護柵が残っています。エアフィルタは小さなタイプ、第1・第5側窓は中央寄りです。なお、同機は29号機とほとんど同時期に落成しているにも関わらず車体断面が低くなっています。また、デッキ前面の形状と連結器解放テコの取付方法も29号機とは異なっています。
※第1次形原形 車体断面低 つらら切り変形 エアフィルタ小 第1・第5側窓中央 水切り三菱タイプ 側窓タブレット保護柵 砂箱少 通風口無し 常磐線列車無線
撮影:EF5853さん 965レ 品川 1979.3.9 |
製造:S22.8.30
三菱電機・三菱重工
No.572/337
使用開始:S22.9.25
廃車:S54.5.7
移動:
S22.9.13 水上
S24.4.10 高崎第二
S33.6.12 吹田第二
S33.8.9 新鶴見
S38.3.9 宇都宮貸
S38.3.12 宇都宮
S43.10.8 新鶴見
S47.3.15 東京
S54.5.7 廃車
最終走行:
S54.5 2,699,925km
記事:
●S23.7.5〜8.16 日立:前ヒサシ取付
●S24.9.6〜9.16 大宮乙修:パンタグラフPS14に取替
●S28.8.31〜9.8 大宮甲修:屋根雨樋取付
●S31.9.12〜10.20 大宮甲修:避雷器箱鉄製に取替・避雷器増設
●S35.5.19〜6.2 大宮甲修:標識燈埋込改造・前燈整備・自動窓拭器取付
●S44.9.2〜9.12 大宮要検:デフロスター取付・WP35平行腕改造
●S47.10.2 東京区区修:先輪軸受コロ式に改造・避雷器LA15に取替 |
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特徴ある30号機の2エンド側の形式写真。前面扉窓が少し開いていますが、1次形は前面に通風口が付いておらずこのように木製の窓を下降させる事が可能でした。また、前面扉のドアノブは横形です。(おそらく後年の改造)側窓へのタブレット保護柵の取付方も良く分かります。運転席側窓下方(区名札入れの手前)に見える4つのビスはかつてのタブレットキャッチャーの名残りでしょうか?
撮影:青森恒憲さん(青春コレクション) 恵比寿 1978.6.12 |
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同じく荷2935レを牽き田町を通過する30号機。しかめっ面をしたような表情が何とも言えません。こちらは2エンド側。
撮影:青森恒憲さん(青春コレクション) 荷2935レ 田町 撮影年月日不明 |
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荷2935レを牽き終点品川に到着した30号機。奥行きが短く角張った独特の形状のつらら切りが良く分かるカットです。1次形に取り付けられたつらら切りにはこの角張ったタイプ以外にも数種存在したとの記述もありますが詳細は不明です。基本的にはこの角張ったタイプ以外は当時の物が廃車時まで残ったと思われますが、ワイパー交換や前窓のHゴム改造などで取付位置や形状は修正されています。いずれにせよEF15のつらら切りは改造で取り付けられた1次形は言うに及ばず、7次形までについても形態は様々です。
撮影:青森恒憲さん(青春コレクション) 荷2935レ 品川 1978.9.11 |
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隅田川貨物駅で荷2935レ牽引前の入れ換え作業に従事する30号機。こちらも2エンド側です。望遠レンズで見ると車体の歪み具合が良く分かります。(^_^;)
なお、運転席側窓の水切りが全周同じ幅でテーパーの付いていないタイプですが、これは三菱製EF15の1次形、2次形のみに見られる物です。
撮影:青森恒憲さん(青春コレクション) 隅田川 1978.9.16 |
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東京区の名物列車、荷2935レを牽く30号機。こちらは1エンド側です。
「荷2935レは撮影効率を考えていたため、鶯谷と品川で撮ったものが多いです。今考えると神田・浜松町・田町・有楽町等、良いところがいっぱいあったのですが…」(ohnoさん)
撮影:ohnoさん 荷2935レ 鶯谷 1977.1.16 |
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カラーで撮られた30号機です。こちらは2エンドです。ワイパーは機関士側がWP50で助士側がWP35です。前燈取付方法はステー式です。29号機からたった半月後の落成ですが、車体断面が
低くエアフィルタが小さい車体になっています。この間に車体の仕様が変更されたと思われます。
撮影:BINさん 279レ 入江 1979.4.18 |
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特徴ある30号機の正面です。角ばったつらら切りとデフロスタのハーモニー。う〜ん…何度見てもユーモラスな表情です。 この2エンド側の前端バリには鋳物の継ぎ目の様な物が見受けられます。
撮影:BINさん 279レ 入江 1979.4.18 |
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次位にEF651063を従えて入江駅を発車する30号機。 旧形電機ではつらら切りの有無で顔つきが異なりますが、つらら切りの形状によっても随分と印象が変わることが本機を見ると分かります。
撮影:BINさん 279レ 入江 1979.4.18 |
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これは1エンド側です。この時点ではワイパーが左右ともKW3Dです。
撮影:BINさん 5580レ 入江 1977.3.12 |
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同じく1エンド側の運転台付近。標準的なつらら切りに対して奥行きが極端に短かくなっています。また、つらら切りの正面に段差が見られますが、前面窓のHゴム支持化に併せてつらら切りの幅を延長した痕跡ではないかと想像します。
第1側窓に取り付けられたタブレット保護棒が物々しいです。おそらく単線時代の上越線時代に設置された物だと思います。他のEF15一族で最後まで残っていた物は29号機とEF1530でした。
撮影:BINさん 5580レ 入江 1977.3.12 |
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本機のナンバープレートと製造銘板です。傷んだ外板が痛々しいです。銘板には三菱電機と三菱重工の両社の名称。
撮影:BINさん 5580レ 入江 1977.3.12 |
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こちらは2エンド側の運転台付近です。上の1エンド側と比べると運転席の側窓の形状が異なるのが分かります。初期のEF15の開閉可能な窓は木製の為、同じ機関車でも工場や配置区での修繕によって形状が結構バラバラになっています。
撮影:BINさん 5580レ 入江 1977.12.24 |
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2エンド側の前面窓周りのアップです。こちら側のつらら切りにも段差が見られます。ワイパーは機関士側WP50、助士側WP35に変更されています。前燈のステー式取付座の構造も分かる一枚。
撮影:BINさん 5580レ 入江 1977.12.24 |
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東海道本線の下り貨物を牽き御殿山付近を行く引掛け式標識燈時代の姿で、この翌年5月に標識燈が埋込化されています。前面窓の下向きのヒサシは製造から1年弱で施工された日立で行われた装備改装時に取り付けられた物で後年のつらら切りはこれの取付角度を修正した物と思われます。下向きのこの角度だと見た目はつらら切りと言うより完全に庇(履歴上も前ヒサシ取付になっている)ですが、同様の形態を同時期に水上に配置されていた凸形時代のEF13に見る事ができます。
所蔵:kobaneko 下り貨物 品川―川崎 1959 |
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機関車部分の拡大です。こちらは1エンド側です。前燈はまだ150WのLP42形で避雷器は見当たらない?前面扉のドアノブは「電気機関車EX」Vol.30掲載の高崎第二時代の写真では縦形ですがここでは横形になっており、やはり横形は後年の改造とみて間違いないと思います。排障器はやはり高崎第二時代は先台車取付ですがここでは前端バリ側面取付となっています。これは昭和34年から東海道本線を走行するほとんどの車両に取り付けられたA形車両警報装置の車上子(この写真でも左右の排障器の後ろに確認できます)を先台車に取り付ける為に移設されたものと思われます。
ところでこの写真だと車体の反射の加減からかぱっと見左右の前面窓の取付高さが異なる様に見えます。ちなみに前出の「電気機関車EX」Vol.30の写真(同じ1エンド側)では同じに見えます。
所蔵:kobaneko 下り貨物 品川―川崎 1959 |
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いくらなんでもそんな事はあり得ないと思い、左右の引掛け式標識燈のライト部分に線を引いて、それを基準に前面窓の下辺とヒサシ上部に線を引いてみました。するとこれなら窓自体は左右とも同じ高さに見えます。ヒサシは左右とも右に傾いていて取付高さがそれぞれ微妙に異なっている様に見えます。
という事でどうやら傾いたヒサシの位置と車体の反射との相乗効果による目の錯覚の様です。
所蔵:kobaneko 下り貨物 品川―川崎 1959 |
EF15 31=EF16
28〔水上〕 |
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車体断面が低く、エアフィルタも小さくなった31号機。こちらは2エンド側。同機も26号機(EF1624)と同様、装備改造による機械室側窓の増設が行われていませんでした。後ろに続く標準形のEF15と比べると極端に窓が少なく見えます。
※車体断面低 側窓原形 エアフィルタ小 第1・第4側窓外寄り 水切り三菱タイプ 前燈取付位置原形 前燈小
水上 1980.5.3 |
製造:S22.9.30
三菱電機・三菱重工
No.573/338
EF16改造:S32.12.11
国鉄大宮工場
廃車:S56.12.1 最終走行:
2,428,362km
移動:
S22.10.21 長岡第二
S32.12.12 水上
S32.12.17 長岡第二
S33.1.27 高崎第二
S33.3.16 水上
S56.12.1 廃車
記事:
●S32.12.11 大宮:EF16改造
現在、群馬県利根郡みなかみ町湯原の「みなかみ水紀行館」駐車場にて保存 |
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こちらは1エンド側です。同機も車体のスウェイバックが激しくなっています。車体が低いタイプは晩年には総じて車体中央部が垂下しています。もしかしたら台枠が薄くなっているのが影響したのかもしれません。
同機は廃車後、幸いなことに縁の地である水上で保存されています。
撮影:遊写さん 水上 197911.3 |
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こちらは2エンド側です。後の側窓7枚の標準タイプと比べると、さぞ機器室内は薄暗かったことでしょう。
5671レ 石打 1980.8.2 |
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みなかみ町にある道の駅「みなかみ水紀行館」内の駐車場の片隅に保存される同機です。こちらは1エンド側です。EF16唯一の保存機でありEF15一次形の唯一の保存機でもあります。クラウドファンディングで2019年4月に再塗装が施されました。末永く後世にこの雄姿を伝えて欲しいですね。
詳細はEF1628細部 Vol.2をご覧下さい。
道の駅 みなかみ水紀行館 2019.4.24 |
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こちらは2エンド側です。新規に作成されたナンバープレートが取り付けられました。 この時は内覧会に併せてデッキの注意看板が外されています。上の写真では1エンド側のナンバープレートは実物が取り付けられていましたが、現在は2エンド同様レプリカが取り付けられています。
内覧会時の詳細はEF1628細部 Vol.3をご覧ください。
道の駅 みなかみ水紀行館 2019.8.20 |
EF15 32=EF16
30〔水上〕 |
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この写真撮影の翌月に休車となった32号機(EF1630)の1エンド側。雪だるま状態で細部が分からないのが難ですが、本機の写真はこれしか無いもので…。ご多分に漏れず車体中央がずいぶんスウェイバックしています。同機は第1・第5側窓に29号機や30号機と同じくタブレット保護柵が残っていました。
※車体断面低 エアフィルタ小 第1・第5側窓中央 水切り三菱タイプ 側窓タブレット保護柵 前燈取付位置原形 前燈小 手動式ワイパー残存
水上 1980.2.17 |
製造:S22.10.31
三菱電機・三菱重工
No.574/339
使用開始:S22.11.19
EF16改造:S33.3.1*
国鉄大宮工場
廃車:S55.5.29
移動:
S22.11.9 長岡第二
S33.3.4 水上貸
S33.3.18 長岡第二返
S53.10.1 水上
S55.5.29 工車142号により廃車
最終走行:
S55.3 2,683,341km
記事:
●S28.6.25〜7.9 大宮甲修:屋根雨樋取付
●S33.11.7〜3.1 大宮丙修:前燈整備・避雷器箱鉄製に取替 (日付は資料のまま S32.117〜33.3.1の間違いか?)
●S33.10.18〜11.25 大宮甲修:EF16改造・自動窓拭器取付
●S35.11.30〜12.10 大宮臨修:ブレーキ装置EL6A→EL14ASに改造
*履歴簿上は工場出場日はS33.11.25
過去の鉄道ピクトリアル記事にS33.3.1の記述あり |
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これも1エンド側です。同機のワイパーは左右ともKW3Dのままですが、さらにどういう訳か1エンド・2エンド共、前面窓下隅におそらく製造当初の手動式ワイパーとおぼしき物を残していました。他の手動式ワイパーで落成したEF15は自動式取付に伴い手動式は取り外されていますが(同位置に痕跡のみ残った物はあり)同機のワイパーだけ残された理由は分かりません。この時、既に車体は色褪せてほとんど艶もない状態でした。
水上 1980.2.17 |
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同、2エンド側です。前燈取付位置は原形、前燈は奥行きの短いタイプです。
避雷器は前燈後ろです。
水上 1980.2.17 |
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4つのワイパーがご愛敬です。こちらは1エンドです。
撮影:EF5829さん 3670レ EF1630+EF15163 越後中里―岩原スキー場前 1980.1.6 |
EF15 33=EF16
27〔水上〕 |
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休車で石打構内に留置中の27号機の哀れな姿…。車体中央のスウェイバックが激しいですね。
※車体断面低 第1・第5側窓中央 エアフィルタ小 水切り三菱タイプ 引っ掛け式標識灯掛け 避雷器パンタ後ろ取付 前燈取付位置原形 前燈小
撮影:EF5853さん 石打 1979.8.9 |
製造:S22.11.30
三菱電機・三菱重工
No.575/340
使用開始:S22.11.30
EF16改造:S32.11.9*
国鉄大宮工場
廃車:S54.10.19
移動:
S22.12.17 長岡第二
S32.11.12 水上
S33.8.31 長岡第二
S53.12.9 1休指定
S54.10.19 工車729号により廃車
最終走行:
S53.12 2,356,784km
記事:
●S23.11.18〜24.1.27 日立:整備改造・パンタグラフPS14に取替
●S28.9.26〜10.7 大宮丙修:雨樋取付
●S32.9.26〜11.11 大宮丙修:EF16改造
●S37.2.16〜2.24 大宮臨修:ブレーキ装置EL6A→EL14ASに改造
●S42.5.31〜6.12 大宮甲修:標識燈埋込改造・雪掻車電燈用電源取入口取外
●S48.6.8〜6.22 大宮要検:避雷器LA15に取替
*履歴簿上は工場出場日はS32.11.11 |
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同機の2エンド側です。EF1510と同様、標識燈の脇にかつての引っ掛け式標識燈時代の標識燈掛けが残っています。同機の標識燈は福米形同様、標準位置より外側に付けられており独特な顔つきです。
撮影:ohnoさん 水上機関区 1977.7.8 |
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こちらは1エンド側です。このちら側は標識燈が2エンド側よりもさらに外側に取り付けられており、非常に精悍な顔立ちになっています。この顔つきはEF15一族では他に例が無いでしょう。
撮影:ohnoさん 水上機関区 1977.7.8 |
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水上機関区で顔を並べるEF1612号機とEF1627号機。両機ともこちらは1エンド側です。正面の屋根昇降段やデッキ形状など川崎製(EF1612)と三菱製の同機の差異が分かります。 また、こうして並ぶと27号機の1エンド側の標識燈取付位置がいかに特異かが分かります。
撮影:初瀬春日さん(がたごと列車) 水上機関区 1978.8.17 |
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望遠で正面がちにとらえた独特の表情。ただでさえ平べったく見える車体断面の低い車体が外側に張り出した標識燈の位置で更に平らに見えます。 なんだか昆虫的な表情にも見えてユーモラス。
EF15(EF16)の埋込標識燈改造は記録に残っている物をみると昭和31年〜39年の間に施工された物がほとんどで、昭和35年前後に山がある感じです。本機は昭和42年とおそらく埋込改造としては最後ではないかと想像されますが、何故に取付位置がこうなったかは謎ですね。
撮影:初瀬春日さん(がたごと列車) 水上機関区 1978.8.17 |
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引っ掛け式標識灯時代の姿でこちらは2エンド側です。この4か月後の大宮工入場で標識燈は埋込式に改造されています。EF15の1次・2次形の引っ掛け式標識燈の取付位置(高さ)は大きく分けて3種あり、本機(EF1533)の様に車体下面近く(2,32,33など)、車体上方ナンバープレート下面近く(16,17,18,19,20,21,40などおそらく川崎製のみ)、両者の中間位で最も標準的(4,7,8,9,10,11,24など)となっています。
前面窓は既にHゴム支持に改造されていますがワイパーは左右共KW3D。避雷器はLA12、先輪はプレート式で速度検知器は機械式とまだまだ落成時の面影が色濃く残っています。また、デッキ先端右側に後年取り外されたジャンパ連結器の栓受の姿が確認できます。この2エンドR側のデッキのステップステーの前端バリとの結合位置は後年設置された手歯止掛けが未設置の為、まだL側と同じ位置になっています。従って正面から見ると1エンド側と同じくデッキステップのステーは逆八の字で左右対称です。上のohnoさん撮影の2エンド写真と比較すると差異が分かります。
撮影:渡辺芳夫さん 水上機関区 1967.1.1 |