ELECTRIC LOCOMOTIVE EF58
形態バリエーション(Hゴム窓機)

Last Update 2000.2.12

Hゴム前面窓のEF58は、新製時からの物も含め172両中119両とその大多数を占め、ある面もっとも馴染み深い形態と言えます。それだけに細かいところのバリエーションの豊富さは大窓機や原形小窓機以上と言えます。ここでは、余り注目されることのない、それらHゴム機の代表的な形態を上越型を除いて見ていきたいと思います。説明の色の付いたところをクリックすると詳細が見られます。また、イラストをクリックすると大きなものが表示されます。

 EF58 1〔浜松〕
栄光のトップナンバー! 写真を見る

特徴:
栄光のトップナンバーですが、更新改造が行われ原形からは随分と違ったイメージです。昭和30年に東芝で旧EF58から車体載せ換えが行われ、新製車の第5次型に準じた小窓スタイルで登場しています。側扉横の手すりは改装時より短いタイプとなっていました。改装機は7号機を除いて前面の雪かき器取付座が無く、誘導踏段は前端バリの側面に取り付けられています。同機は元々日立製ですが車体改装を東芝が担当したため両者の特徴を併せ持ち、足周りは改装時に手がつけられず先輪覆いが一直線の物(新製車では日立製の初期車のみ)なのに対して、枕バリの端面形状は東芝製標準の逆台形です。昭和47年に大宮工場で車体整備(更新改造)を受け、Hゴム前面窓、機関士側ワイパーのWP50化に伴い水切りの位置が上昇、標識灯が新型電機に見られる外蓋式、側扉もFRP製という更新改造機特有のスタイルです。なお、大宮工場で前面窓のHゴム支持化は黒Hゴムが使用されています。エアフィルタも西のゴハチの標準だったビニロックフィルタに交換されています。なお、同機の正面L側の標識灯掛け部分には、かつての「つばめ」「はと」牽引時に取り付けられた列車無線連結栓が残っていました。

 EF58 36〔米原〕側窓変形
東海道・山陽筋で最後まで活躍した側窓変形機。 写真を見る

特徴:
長岡区の35号機と共に側窓7枚の変形機です。また、1次型(35〜39号機)は前端バリが旧EF58の幅狭のものと同じで、屋根上の主抵抗器室カバーも1・2位側共同じ大きさでモニタールーフも標準よりも若干小さくなっています。した。一生をほとんど上越で過ごした35号機に対し、つらら切りとデフロスタこそ装備しているものの汽笛カバーははずされ(取付座のみ残っています)、早くに山を下りて長く東海道・山陽路を活躍の舞台にした同機とでは形態には随分と違いが生まれています。昭和48年に鷹取工場で更新改造が行われ、前面窓は白Hゴム窓に、ワイパーは左右ともWP50に交換、その為グニャグニャに曲がった独特の表情のつらら切りには欠き取りが付けられ、標識灯は外蓋式に、側扉はFRP製に側面のエアフィルタはビニロックフィルタに交換されています。また、運転室側窓前部がHゴム支持の固定窓に改造されています。この側窓の改造は他に39号機に見られるのみです。(但し形状は若干異なります)。35号機も様々な改造が施されていますが、こうして見ると両機はまるで別物です。前面ステップの両側が大きく欠き取られているのは、上越時代に標識灯掛けが前端バリ上に移設されていたためと思われます。枕バリの端面形状は東芝製標準の逆台形ではなく長方形です。これは、旧EF58の車体をそのまま利用したためで東芝製では35・36号機のみとなっています。また、前灯はLP402型化に際しランプケースが大型化されています。なお、側扉横の手すりは原形の長いままです。同機は関西ブルトレ対策時にP型改造されていますが、前端バリが狭いため元空気ダメ管のアングルコックを取り付けるスペースが無く、前端バリ側面に取り付けられています。ヘッドマーク取付座も同時に付けられましたが、関西ブルトレ用の独特の形状です。

 EF58 81〔広島〕
更新改造姿に一体ひさし、PS22B装備の晩年の広島スタイル 写真を見る

特徴:
昭和30年7月の東海道本線米原電化用として製造された本機は第5次増備車にあたり、小窓にPS14Aパンタ、LP402型用の大型前灯ケース、側扉横の手すりは短いタイプで登場しています。その後、昭和52年に広島工場で更新改造を受けた本機は白Hゴム前面窓となっています。その窓もどうも他のHゴム機より上下の幅が狭く見えます。その為か左右一体型ひさし、PS22Bと相まって、更新改造機ながら非常に精悍なイメージです。ワイパーは左右ともWP50、標識灯は外蓋式化、側扉はFRP化が行われています。枕バリの端面形状は東芝製標準の逆台形です。なお、本機も関西ブルトレ対策時にP型改造され、従来のHM取付座のすぐ上にもう一組L字型の取付座が設けられています。また、米原区時代に御召し予備機となっており、国旗掲揚装置の取り付けボルトが正面に残っています。

 EF58 83〔宮原〕
更新改造機ながら原形ワイパー、原形水切り姿の宮原更新改造車の異色機。 写真を見る(撮影:6348レさん)

特徴:
こちらも第5次型の更新改造機です。何か更新改造機ばかり並んでしまいました…。(単なるHゴム窓機より、好きなんです…^^;)この83号機は単なる更新改造機ではなく、前面窓の左右長が若干短いものでした。と言うのも本機は前面窓のHゴム支持化の第2号機で、他機に先駆けて昭和34年に試験的に工事が行われた為でした。(最初は昭和33年の58号機。本格的に工事が行われるようになったのは昭和42年から)その為、昭和46年の更新改造時に窓周りには手が付けられず、ワイパーも原形のKW3Dです。また、本機は前面手すり、前面ステップが未取付、側面屋根昇降段が原形と更新改造機ながら何とも不思議なスタイルとなっています。枕バリの端面形状は川崎製標準の逆台形です。

 EF58 88〔東京〕
上向きのつらら切りに原形雪かき器装備。 写真を見る

特徴:
昭和31年製造の第6次増備車で、東京区で124号機と共に原形の可動式雪かき器装備車として有名でした。この可動式雪かき器は、空気シリンダによって雪かき器取付座中央部のロッドを前後させることでその後退角を調整できるもので、上越型の小振りな雪かき器姿とは随分と印象が異なります。本機にはつらら切りにデフロスタ、上越型同様、標識灯掛けが前端バリ上にステー状の物が取り付けられていますが、これは昭和37年〜48年まで高崎第二区に配置されていた折りに装備されたと思われます。東京区に転属後、昭和51年頃に可動式雪かき器を通年取り付けるため、誘導踏み段が前端バリ側面に取り付けられました。(通常、誘導踏み段は雪かき器の取付座に付けられているため、雪かき器取付時には誘導踏み段を取り外す必要がありました。)これは、上信越線が雪で米原迂回になったときの関ヶ原付近の降雪に備えたもので、他に東京区の124,154号機があります。この誘導踏み段は、改装機に取り付けられたものと似た形ですが細部は若干異なり、前端バリにスペーサーを介して取り付けられました。本機のつらら切りは極端に上向きの物で、デフロスタ、雪かき器と相まって非常に個性的な表情でした。枕バリの端面形状は日立製標準の長方形です。この姿で汽笛カバーも付いていれば、雪かき器固定化前の上越型のイメージです。

 EF58 109〔宇都宮(転)〕
上越型と並ぶもう一つの北のゴハチ、晩年の標準的宇都宮スタイル。 写真を見る

特徴:
上越型と同じくデフロスタを装備した前面窓、黒Hゴムにワイパーは機関士側WP50、助士側WP35で、水切り位置は上に移動。電暖表示灯はL字型の旧タイプ。上越型の電暖機とは若干連結栓の付き方が異なっています。側扉の下部には開閉用の手掛けが付けられています。同機は東京区時代に前面のL側の車体裾に、列車無線の連結栓が付けられており、廃車時までそのままとなっていました。



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