ELECTRIC LOCOMOTIVE EF15  Vol.5
EF15 12〜15, 37〜39, 43〜45

Last Update 2024.12.4

Index EF1512 EF1513 EF1514 EF1515 EF1537 EF1538 EF1539 EF1543 EF1544 EF1545

 第3次形(12〜15、37〜39、43〜45号機)

昭和26年12月〜昭和27年3月にかけて製造されたグループ。このグループよりさらに各部の標準化が行われましたが、2次形からわずか半年ほど後の落成でまだまだ4次形以降の標準的なタイプとの過渡的なものとなっています。なお、本グループまで三菱製の従契約社は中日本重工名義になっています。

前グループからの変更点としては標識灯が埋め込み式になり、運転席側窓の水切りが全機標準タイプに、機関助士側の側窓が機関士側と同タイプの2枚分割式に変更され(但し川崎製43〜45号機についてはサイズが2次形までと同じ小さいサイズ)、砂箱の数も動輪に対して2個取付となっています。砂箱の形状は本グループまで川崎製は独自の小さいタイプです。正面通風口は標準の6段ヒダの物と前グループのガラリ形4段の物との過渡期となっており、川崎製の43〜45号機については後者となっています。

日立製の12〜15号機は同じ日立製前グループの9〜11号機と同じくモニタールーフ小窓が標準より1枚多い6枚で、次グループの47号機までこの仕様です。つらら切りは日立独自の大形で外向きのタイプです。また、連結器解放テコの形状が本グループ以降、第9次形107、118号機まで同社の特徴の幅広タイプになっています。なお、12、13号機のみ前面扉の形状が1次形と同じ縁取りのあるタイプで、その窓も他に例を見ない幅が広く四隅にRがある変形となっています。また、助士席側(向かって左側)の通風口に干渉する正面昇降段の最下段が足かけ部分のみ左に延長(逆Fの字)された形状で、これは5次形まで見られます。

デッキ形状は日立・三菱共に標準タイプになりましたが川崎製の43〜45号機はまだ1次形川崎タイプのデッキとなっています。但し前端バリ側面のブレーキ管の配置のみ標準形になっています。こうして見ると川崎製の仕様変更の遅れが目立ちます。枕梁の端面形状は標準ではEF58同様日立製は長方形でそれ以外が逆台形ですが、本ロットでは川崎製のみ逆台形になっています。

なお、三菱製の37〜39は正面通風口の助士席側の取付位置が日立製や後の標準よりも更に右に寄っており、すぐ横にある正面昇降段の最下段がそれを避けて手すりではなく台形状の鋼板製のステップになっています。これは本グループのみに見られる形状です。また、1次形の23年製の24,25号機から引き続き、先輪の担いバネと動輪の釣り合い梁を結ぶバネ吊りリンクが丸棒で、それに連結する釣り合い梁も独特の形状となった三菱式です。つらら切りは前グループから引き続き、後の標準タイプと比べると側面が丸みを帯びた独特の形状で、これは10次形までこの形状です。

屋根上の主抵抗器室カバーはまだ全機両エンドとも同じ大きさですが、1次形と同じ形状だった三菱製も中央寄りの端部が垂直になりました。新製時の先輪は全機プレート式です。なお、日立製の12〜15号機の正面ナンバープレート取付位置は同社2次形同様、左に寄って取り付けられています。対して川崎製は前ロットから引き続き上寄りの取付位置となっています。

前燈の取付台座は14,15,44,45号機が2枚板の飛び出したタイプ、他はステー式となっています。

※印…主な特徴です。画像をクリックすると大きなものが表示されます。

 EF15 12〔八王子〕

EF1512
八王子区で活躍した12号機。各部が標準化されEF15の基本形が既に完成されています。ただし、モニタールーフの小窓は同じ日立製の9〜11号機と同じく6枚で機関助士側の側窓も2次形までと同じ小さなサイズです。通風口は6段ヒダの標準タイプです。15のヘッドライトは取付方法に数種類あり、この12号機のように1本のステーで車体前面に飛び出して付けられた物と、2本足の台座の上に乗った物で車体前面に少し飛び出た物(45、76、77など)、同じく2本足の台座上で前面にはほとんど飛び出ていない物(10・11・35、EF16上越形の多く)があります。 こちらは2エンド側。
 
※前面扉変形 つらら切り大形 モニタールーフ小窓6枚 正面昇降段最下段逆F字  正面ナンバープレート左寄り 連結器解放テコ幅広 前燈大
新宿 1979.5.4
製造:S26.12.14
日立製作所 No.19630-1
使用開始:S26.12.14
廃車:S54.6.18

移動:
S26.12.27 新鶴見
S27. 1.19 福島第二貸
S27. 3. 9  新鶴見返
S30.10.30 浜松貸
S30.12.31 新鶴見返
S31. 3.13 浜松貸
S31. 9.12 新鶴見返
S31. 9.13 高崎第二貸
S32. 8.10 高崎第二
S34. 4.16 白河貸
S34. 5.29 高崎第二返
S34. 6.15 白河貸
S34. 7. 2  高崎第二返
S34. 9.13 宇都宮
S43. 6.20 新鶴見
S43. 7.31 八王子貸
S43.10. 1 立川
S47. 3.22 八王子
S54. 6.18 廃車
最終走行:?

記事:
●S37.1.27:前燈整備
●S43.2.19:排障器整備
EF1512 夕日を浴びて中央線を行く12号機。八王子区のEF15は、この後、東海道から転属してきた後輩のEF60 500に任を譲っています。同機のつらら切りは大形の物です。また、前面扉の形状が1次形と同じ縁取り(?)のある形になっています。扉本体の形状は標準形に近いですが本機と同じ日立製の13号機のみに見られる変形タイプで窓の形状とドアノブ位置が独特です。前面昇降段の最下段は足かけ部分のみ左に延長(逆Fの字)された形状です。こちらは1エンド側です。
5491レ  国分寺―西国分寺 1979.5.4
EF1512 八王子機関区の庫内で休む12号機。前面扉は1次形と同様の縁取りのある形状に四隅にRがあり幅が広く天地が狭い独特の窓になっていて、12、13号機のみに見られるものです。また、扉の開閉ノブの位置も標準よりもかなり低い位置になっています。1次形も含めてこのような位置に付いた物はありません。また、本機以降、日立製では第9次形の107、118号機まで連結器の解放テコが幅広になっています。ワイパーは機関士側WP50で助士側WP35です。背後にちらりと見えているのは同区のEF1314です。ちなみに当時の八王子機関区では事務所で見学の申請をして許可を頂くと、わざわざ人を付けて区内を色々と案内して下さいました。
八王子機関区 1977.6.5
sugi-ef1512 同年6月の全検出場から半年ほどの姿なのでまだまだ綺麗な車体です。こちらは1エンド側。左にチラリと見える横浜線の72系も懐かしいですね。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    八王子 1975.12.28
BIN-EF1512 タンク車の先頭に立ち品鶴線を行く。こちらは1エンド側です。この頃になると塗装の荒れ具合が目立っています。
撮影:BINさん  5461レ  鶴見―品川 1978.3.25
sugi-ef1512 立川駅の南武線ホームから見た同機。こちらは2エンド側です。汚れなのか塗装の退色なのか、白黒でも随分とくたびれた外観が伺えます。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    立川 1977.4.1
sugi-ef1512 同じく南武線ホームから見た同機の1エンド側です。日立の2次形は1次形の姿を色濃く残していましたが、この3次形でもこの12号機と続く13号機は前面扉の縁取りに1次形の面影が見られます。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    立川 1977.4.1
kato-ef1512
八王子区の名物、重連5472レの先頭に立ち新鶴見操車場付近を行く。こちらは2エンド側です。次位は同じ八王子区の原形前面窓機で製造銘板から三菱製、パンタの擦り板が鉄製なので撮影時期から61号機と思われます。 回送とは言えEF15同士の重連は魅力的です。
撮影:加藤重義さん  5472レ   品川―鶴見 1979.3.6
 EF15 13〔八王子〕

EF1513
同じく八王子区の若番13号機。12号機も同様ですが日立製の本機は前面扉の形状が1次形と同じ縁取りのある形になっています。また、扉本体も本機と12号機のみに見られる形です。(詳細は12号機を参照下さい。)どうも、日立では受注を見越して早めに製造に手を付けていたのか、各部の仕様変更が他のメーカーに比べて遅れ気味です。つらら切りも大形です。この時点では前面窓にデフロスタは未設置でワイパーもKW3Dです。前面昇降段の最下段が足かけ部分のみ左に延長された形状なのが車体に落ちた影から分かります。
 
※前面扉変形 つらら切り大形 モニタールーフ小窓6枚 正面昇降段最下段逆F字 正面ナンバープレート左寄り 連結器解放テコ幅広 前燈小
西国立 1977.6.5
製造:S26.12.27
日立製作所 No.19630-2
使用開始:S26.12.27
廃車:S54.8.23

移動:
S26.12.26 新鶴見
S30. 9.30  高崎第二貸
S30.11.24 新鶴見返
S30.11.30 高崎第二貸
S31. 6.26  新鶴見返
S31. 7. 5   高崎第二貸
S32. 8.10  高崎第二
S35. 7.13  宇都宮
S43. 7. 1   新鶴見
S43. 7.31  八王子貸
S43.10. 1  立川
S48. .     八王子
S54. 8.23 廃車

最終走行:?

記事:
●S29.2.16〜2.23 浜松:泥除取付
●S39.3.9〜3.18 大宮:前燈整備
inage-EF1513 中央線下り貨物の先頭に立つ13号機。モニタールーフの小窓が6枚なのが確認できます。上の1977年の写真では付いていないデフロスタが前面窓に取り付けられワイパーがWP50化されています。デフロスタは八王子のEF15としては珍しいですね。
撮影:N.Inageさん  新宿 1978.8
hiramatsu-EF1513 前面窓にデフロスタが付いたEF15は別に珍しくありませんが、なぜかこの表情が独特に見えるのは雪かき器が付いていないのとデフロスタが白で目立つからなんでしょうね。
撮影:S.HiramatsuさんPassenger Cars Room  撮影地・撮影日不明
BIN-EF1513 昼下がりの南武線を単機で行く。 こちらはR側(右が1エンド)です。標準より1枚多い6枚のモニタールーフ小窓の様子が良く分かります。
撮影:BINさん  5164レ  向河原―平間 1978.1.15
BIN-EF1513 立川駅に停車中の同機の2エンド側です。通常デフロスタ本体の窓と接するゴム部分は黒色なのでそれほど目立ちませんが、本機の物はなぜか白色でそこだけ浮いて見えます。この部分が白いデフロスタは宇都宮のゴハチに良く見られます。
撮影:BINさん  3467レ  立川 1978.9.23
 EF15 14〔八王子〕

ef5853-EF1514
上の13号機から2ヶ月後に同じく日立で落成した14号機。本機はその13号機と異なり前面扉の窓の形状が2次形以降の標準形になっていますが、モニタールーフ小窓は依然6枚です。つらら切りは日立製に良く見られる大形です。この写真と反対の2エンド側のつらら切りは角ばった吊り目の独特な表情です。
「団臨牽引待ちのEF1514[八]の姿。ちなみにEF58119[宇]が牽引してきました。」(EF5853さん)
 
※モニタールーフ小窓6枚 つらら切り大形 正面昇降段最下段逆F字 正面ナンバープレート左寄り 連結器解放テコ幅広 前燈小 原形ワイパー
撮影:EF5853さん  新宿 1977.11.26
製造:S27.2.19
日立製作所 No.191030-1
使用開始:S27.2.22
廃車:S54.1.24

移動:
S27. 4. 7   沼津
S38.12.28  岡山
S40. 7.16  広島
S41. 3.26  下関(転)貸
S41. 4. 9   広島返
S41.11.14  高崎第二
S42. 5.7発  宇都宮(転)
S47.2.26   八王子
S54.1.24   廃車

最終走行:?
ef5853-EF1514b こちらは団臨牽引で12系6連の先頭に立つ姿です。
「同好の方が数人写ってますね。「露出補正」ということを知りませんでしたので、ネガカラーのラチュードに助けられています。」(EF5853さん)
撮影:EF5853さん  新宿 1977.11.26
kantera-ef1514 国分寺を発車する14号機。この辺りの情景も今はすっかり変わっているでしょうか?
撮影:KANTERAさん旧型電気機関車の宝庫)    国分寺 1977.11
kantera-ef1514b
中央線をのんびりと走るEF15貨物。こんな光景も日常的なものでした。
撮影:KANTERAさん旧型電気機関車の宝庫)    立川―日野 1978.9
ohno-ef1514 高尾臨を牽き八王子に入線する14号機。中央線内は八王子区が担当だったので、EF13やEF15を目当てに通われた方も多かったようです。ohnoさんによると、この年の高尾臨は既に全てEF15だったそうです。
撮影:ohnoさん  八王子 1978.1.20
BIN-EF1514 夕闇迫る武蔵小杉駅を後に南武線を行く。こちらは2エンド側で1エンド側に比べて両側のつらら切りの外側が高くなっていて正面から見ると何だか怒ったような表情に見えます。 本機はこの1ヶ月半後に廃車になっており、夕暮れのなかを行く姿が本機の行く末を暗示している様です。
撮影:BINさん  5193レ  武蔵小杉―武蔵中原 1978.12.9
sugi-ef1514 次位に大宮工場入場回送のEF108〔甲〕を連結し発車を待つ。こちらは1エンド側です。こちら側のつらら切りは機関士側(右側)は普通で助士側のみ角ばった形状です。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    立川 1975.12.25
sugi-ef1514 八王子機関区でお休み中の同機の1エンド側です。デッキの連結器解放テコ取付部の中央に四角い補強の様な物が見られます。これは色々なロットで散見されますが、製造当初からなのか後の改造なのかも含め、どういう意味があるのかは不明です。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    八王子機関区 1976.8.6
BIN-EF1514 単機で品鶴線を行く同機の2エンド側です。パンタグラフのスリ板が手前の2エンド側は鉄製で1エンド側はアルミ製となっています。他の写真を見てみると、少なくとも1978年1月までは両エンド共アルミ製になっています。
撮影:BINさん  5464レ  品川―鶴見 1978.5.5
kato-ef1514 14系座席車の先頭に立ち中央線を行くシーンでこちらは2エンド側です。パンタの擦り板は両エンド共アルミ製です。牽いているのは時期的にみて高尾臨でしょうか。近代的な14系客車とクラシカルなEF15の組み合わせが面白いです。
東中野駅の新宿方での撮影ですが、この写真の背後に見える雑木林辺りには現在はタワマンが2棟建ち、この当時の面影はほとんどありません。架線柱もすっかり建て替わっていますが手前の短い鉄橋と信号機は今も変わっていないですね。
撮影:加藤重義さん  下り臨客   東中野 1978.2頃
 EF15 15〔高崎第二〕

ef5853-EF1515
こちらもモニタールーフ小窓が6枚の15号機。つらら切りはやはり大形です。
「ゾロ目ナンバー。機関士・機関助士さんは暑いので外で涼んでいました。今なら「すいませーん、ちょっと戸閉めていただけませんかぁ?」と頼むところですが・・・・。」(EF5853さん)
 
※寒地形 モニタールーフ小窓6枚 つらら切り大形 正面昇降段最下段逆F字 正面ナンバープレート左寄り 連結器解放テコ幅広 前燈小
撮影:EF5853さん  8772レ  篭原 1978.7.23
製造:S27.3.17
日立製作所 No.191030- 2
使用開始:S27.3.20
廃車:S53.12.5

移動:
S27. 3.     沼津
S37. 7. 9    吹田第二貸
S37. 7.26   沼津返
S38. 9.28   新鶴見貸
S38.12.30  沼津返
S39. 9.26   浜松
S40. 9.28   宇都宮(転)
S48.10.4発  長岡(転)
S51.10. 1   高崎第二
S53.10. 1   1休指定
S53.12. 5 工車1168号により廃車
最終走行:
S53.9 2,726,050km

記事:
●S29.2.16〜2.23 浜松:泥除取付
●S39.3.9〜3.18 大宮:前燈整備
 EF15 37〔新鶴見〕
Nishino-EF1537 えー、いきなりナンバーが飛んでいます。1次形からこの3次形までは、落成順と番号との関係が一致しておらず実に分かりにくいですね。国鉄では機関車の発注時にあらかじめ番号を各メーカーに割り振っていますが、そのロットの発注分が何らかの理由で次のロットに回された場合に発生する現象です。写真は高崎第二区時代の姿です。
 
※寒地形 助士側通風口取付位置変形 正面昇降段変形 先輪後位バネ吊り三菱タイプ 原形ワイパー
撮影:Y.NishinoさんY.Nishinoのホームページ)  駒込―田端 1973.5
製造:S27.2.13
三菱電機・中日本重工
No.683/368
使用開始:
廃車:S55.2.2

移動:
S27.2.13 浜松
S33.2.7   高崎第二
S33.2.26 長岡第二貸
S33.3.16 高崎第二返
S50.3.10 東新潟
S51.10.6 新鶴見
S55.2.2  工車1126号により廃車
最終走行:?

記事:
BIN-EF1537 晩年の新鶴見時代の姿でこちらは2エンド側です。 寒地形から雪かき器のみ外されています。この37号機も形態的にはかなり標準タイプに近くなっていますが、機関助士側の通風口の取付位置や前面昇降段の形状に特徴があります。つらら切りは小形の丸っこいタイプ。汽笛カバーは高崎形の先端が垂直の物です。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.8.26
BIN-EF1537 こちらも新鶴見時代の姿で同じく2エンド側です。このグループまで三菱製のEF15の従契約社は中日本重工となっています。サイド気味に見るとEF15も意外と車体が長い事が分かります。

撮影:BINさん  279レ  入江 1977.5.27
BIN-EF1537 こちらは2エンド側です。カラーなので汽笛カバーやパンタ台が黒く塗られているのが確認できます。このL側側面の三菱電機と中日本重工の製造銘板は左右で取付高さが異なっていますね。
撮影:BINさん  279レ  入江 1978.5.4
BIN-EF1537 1エンド側正面です。前面通風口の向かって左、機関助士側の取付位置が標準よりも右に寄っています。ちなみに標準では通風口と干渉する前面昇降段の最下段は台形状の手すりになっていますが、本機はそれが手前が広くなった台形状の板状のステップになっています。今回、この写真から初めて気付く事ができました。他機についても確認すると三菱製の本グループのみに見られる形態の様だと分かりました。う〜ん…改めて奥が深いぞEF15!
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.11.9
BIN-EF1537 同じく1エンド側のキャブ周りです。初期の三菱製に見られる丸棒式のバネ吊りリンクが確認できます。走り装置部分のメーカー固有仕様と言うのは国鉄車両では珍しいのではないかと思います。

撮影:BINさん  279レ  入江 1977.12.23
BIN-EF1537 ねぐらの新鶴見機関区で休む37号機。こちらは2エンド側です。全検標記は「49-9 大宮工」。光線の具合でデフロスタのニクロム線が光っています。上述の正面昇降段の最下段の形状の違いがお分かり頂けますでしょうか。

撮影:BINさん  新鶴見機関区 1978.11.4
BIN-EF1537 同じ写真の正面昇降段部分のアップです。最下段部分はご覧の様に手すりではなく、車体に落ちた影から左に張り出した台形状のステップになっていることが分かります。先端部には下向きにRが付いて足を掛けやすくしてあります。
それにしても今頃になって新たな発見があるところがEF15の面白いところです。

撮影:BINさん  新鶴見機関区 1978.11.4
 EF15 38〔高崎第二〕

kawasaki-EF1538
上の37号機同様、三菱電機と中日本重工のジョイントで製造された38号機。本機も前面通風口の左、機関助士側の取付位置が標準より右に寄っていて、通風口と干渉する昇降段の最下段が手すりではなく、ステップになっているのが確認できます。尚、同機のパンタグラフはPS15に交換されています。
「単機で通過する38号機の後ろ姿。」(川崎大輔さん)
 
※寒地形 助士側通風口取付位置変形 正面昇降段変形 先輪後位バネ吊り三菱タイプ  前燈大 PS15パンタ
撮影:川崎大輔さん  西国分寺 1978
製造:S27.2.14
三菱電機・中日本重工
No.684/369
使用開始:S27.2.18
廃車:S55.6.6

移動:
S27.2.16 浜松
S33.4.1  高崎第二
S55.6.5  1休指定
S55.6.6  工車164号により廃車
最終走行:
S55.6 2,844,341km

記事:
●S29.1.27〜2.3 浜松甲修:電気式速度計取付・泥除取付
●S29.7.5〜7.10 浜松丙修:排障器改造
●S32.2.25〜3.2 浜松丙修:電気式窓拭器・取付(助士側2基)
●S38.1.5〜1.12 大宮甲修:前燈整備
●S41.6.24〜7.20 大宮甲修:排障器整備・デフロスター取付
●S47.4.26〜5.11 大宮要検:避雷器LA15に取替
●S53.6.28〜7.7 大宮全検:改良形電気式速度計取付
ohno-ef1538 屋根上の抵抗器室カバーが両エンドで同一の大きさになっているのが良く分かります。 左側の機関士側通風口の取付位置が右に寄っているのも確認できます。
本機は新製配置は浜松区ですが、その後高崎第二区に移動してからは、同区を離れる事無く廃車になっています。
撮影:ohnoさん   新鶴見 1977.5.21  
BIN-EF1538 品鶴線の御幸付近を行く。こちらは1エンド側です。
撮影:BINさん  1482レ  品川―鶴見 1979.1.27
BIN-EF1538 同じく1エンド側の側面です。ステップ状の前面昇降段最下段と三菱独自の棒状の先輪後位側バネ吊りリンクが確認できます。三菱電機と中日本重工の2枚になった製造銘板も良く分かります。
撮影:BINさん  1482レ  品川―鶴見 1979.1.27
 EF15 39〔新鶴見→高崎第二〕

ohno-ef1539
三菱では本ロットで前面の昇降段と通風口取付位置を除き概ね標準形になっています。本機の晩年の履歴はとても複雑で、この写真が撮られた時点では新鶴見区所属ですが、1年少々で高崎第二区へ転属しています。新鶴見以前は東新潟区に約1年半。それ以前は高崎第二区時代が大半です。
 
※寒地形 助士側通風口取付位置変形 正面昇降段変形 先輪後位バネ吊り三菱タイプ  小形汽笛カバー
撮影:ohnoさん   新鶴見―尻手  1977.3.9
製造:S27.2.28
三菱電機・中日本重工
No.685/370
使用開始:S27.3.4
廃車:S54.2.1

移動:
S27.3.1  浜松
S33.4.2  高崎第二
S37.5.15   宇都宮貸
S37.6.3  高崎第二返
S48.2.1  国府津貸
S48.6.8  高崎第二返
S50.3.10  東新潟
S51.10.3   新鶴見
S52.11.18  高崎第二
S53.10.1  1休指定
S54.2.1  工車1564号により廃車
最終走行:
S53.9 2,651,034km

記事:
●S29.3.2〜3.9 浜松甲修:泥除取付
●S31.9.10〜9.15 浜松甲修:電気式速度計取付
●35.2.19〜2.27 大宮甲修:前燈整備・避雷器箱鉄製に取替
●S46.3.24〜4.6 大宮全検:デフロスター取付
●S48.6.30〜7.12 大宮要検:避雷器LA15に取替
●S52.11.8〜11.18 大宮要検:WP35平行腕改造

BIN-EF1539
同じく新鶴見時代の姿です。通風口の機関助士側の取付位置が標準より右に寄っており、すぐ横にある正面昇降段の最下段がそれを避けて台形状の鋼板になっています。これは三菱製のこのグループのみの特徴です。先輪の担いバネと動輪の釣り合い梁を結ぶバネ吊りリンクが丸棒で、それに連結する釣り合い梁の形状が三菱独特の形状です。ちなみに三菱製は第11次形までこのタイプになっています。汽笛カバーは小形ですが東新潟タイプとは異なり先端部が直角に切り落とされています。 こちらは1エンド側です。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.2.1

BIN-EF1539
同じく新鶴見時代の2エンド側です。1エンド同様、通風口の機関助士側の取付位置が右寄りで、正面昇降段の最下段が台形状の鋼板になっています。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.2.16
 EF15 43〔甲府〕
S.Hiramatsu-EF1543 本グループの川崎製の物は、デッキ形状が1次形川崎タイプで通風口も前グループと同じガラリ形4段となっており、まだまだ1次形の影を引きずっています。
 
※川崎製1次形デッキ 通風口4段 砂箱変形 正面ナンバープレート上寄り
撮影:S.HiramatsuさんPassenger Cars Room  撮影地不明(身延線内) 1979.5頃
製造:S26.12.5
川崎車輌 No.146
廃車:S54.12.10

移動:
S26.12.5  沼津
S38.4.19  長岡第二貸
S38.9.21  沼津返
S39.9.27  宇都宮(転)
S43.9.7   新鶴見
S52.9.8   甲府
S54.12.10 廃車
takechanman-EF1543 同じく身延線で最後の活躍をする姿で1エンド側です。 ワイパーは機関士側WP50、助士側WP35です。
撮影:タケチャンマンさん  身延 1979年頃
c51-ef1543 新鶴見区時代の43号機の1エンド側。原形窓に原形ワイパー、避雷器カバーも未取付、上の写真ではステー式になっている前燈取付台座もまだ原形のLP42用です。避雷器カバー取り付け時に、前燈と干渉するためステー式に改造したんでしょうか。
撮影:椎野吾一さん椎野吾一の鉄道博物館  蕨付近 1973.3.28
BIN-EF1543 同じく新鶴見時代の2エンド側の姿です。前面窓がHゴム支持に改造されていますがワイパーはKW3Dのままで、避雷器はLA15カバー付になり前燈取付台座はステー式になっています。砂箱が川崎製一次形と同じタイプです。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.3.9
BIN-EF1543 新鶴見操車場で入れ換え作業中のこれも新鶴見時代の2エンド側です。カラーで避雷器カバーの銀色や屋根上の黒色塗装が良く分かります。 この時期の大宮工場の仕様なのかPS14パンタの台枠部分も黒く塗られているのが確認できます。
撮影:BINさん    新鶴見操車場 1976.10.3
sugi-ef1543 前面扉の窓に1エンド側にあるステッカーの様な物が無いので2エンド側と思われます。塗装して間もないのか車体の艶が外板の凸凹を目立たせています。本機は昭和26年と大分世の中が落ち着いてからの製造ですが、一次形と同じデッキやガラリ形の前面通風口などEF15の形態としてはまだ未完成です。 EF15の標準スタイルが確立するのは次ロットからになります。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    八王子機関区 1976.3.31
sugi-ef1543 この1エンド側の前面扉の窓には2エンド側には無いステッカーの様な物が貼りつけてあるのが確認できます。 つらら切りの影が前面窓全体を覆っているのを見ると、庇としての効果も大きかった事が伺えます。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    新鶴見機関区 1977.7.24
 EF15 44〔甲府〕
ef5853-EF1544 EF5853さん撮影の44号機でこちらは2エンド側です。つらら切りは小形の物で通風口は4段ヒダです。デッキもいまだに川崎製の1次形タイプとなっています。ワイパーは機関士側WP50で助士側WP35です。のんびりした身延線の風景もEF15に似合いますね。
 
※川崎製1次形デッキ 通風口4段 砂箱変形 前燈小 正面ナンバープレート上寄り

撮影:EF5853さん  1691レ  身延 1978.7.15
製造:S26.12.7
川崎車輌 No.147
廃車:S55.8.1

移動:
S26.12.12 沼津
S35.9.27   豊橋貸
S35.10.2   沼津返
S39.9.6    宇都宮(転)
S43.9.8    新鶴見
S52.11.19  甲府
S55.8.1    廃車
mattsun-EF1544 まっつんさん撮影の甲府機関区で昼寝中の44号機で1エンド側です。新鶴見から転属直後ですね。 ワイパーはこの時点で機関士側WP50で助士側WP35です。
撮影:まっつんさん  甲府機関区 1977.11.26
ohno-ef1544 後ろにEF65一般形を従えた新鶴見区時代の姿でこちらは2エンド側です。ワイパーは左右ともWP35です。
撮影:ohnoさん   尻手 1977.3.12
BIN-EF1544 同じく新鶴見区時代です。こちらは1エンド側です。 前燈の取付台座は2本足で前面に少し飛び出たタイプです。ワイパーは左右ともWP35です。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.3.3
BIN-EF1544 同機のナンバープレートと銘板です。川崎車両の製造ナンバーは「147」。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.3.3
BIN-EF1544 上写真と同じく1エンド側ですが、カラーでの撮影でPS14パンタの台枠が黒色で塗られているのが確認できます。この時点ではまだワイパーは左右ともWP35です。外板の傷み具合が生々しいです。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.6.1
sugi-ef1544 新鶴見区で昼寝中の同機の同じく1エンド側です。時期的に新鶴見区時代のはずですが区名札が挿さっていません。運転室側窓の木製の窓枠の形状が四角くなっているのが分かります。
撮影:針葉樹林鉄道研究会の杉さん    新鶴見機関区 1976.3.28
 EF15 45〔八王子〕

EF1545
通風口の形状が4段ヒダでデッキが1次形タイプですが、それ以外は標準的な形態となった45号機です。この45号機の前燈取付台座は2本足で少し前面に飛び出たタイプです。この違いは単に備品の都合上なのか、法則性は良く分かりません。ただし、後期の物は多くがステー上に付けられているようですので、製造途中で仕様変更されたのかも知れません。つらら切りは小形でかなり小さいものです。この時点ではパンタ台枠はグレーです。

※川崎製1次形デッキ 通風口4段 砂箱変形 前燈小 正面ナンバープレート上寄り
新宿 1979.5.4
製造:S26.12.26
川崎車輌 No.148
廃車:S55.3.25

移動:
S27.2.9   沼津
S36.9.13 豊橋貸
S36.10.3 沼津返
S38.7.5   豊橋
S38.8.1   沼津
S39.9.19 宇都宮(転)
S43.9.9  新鶴見
S54.1.24 八王子
S55.3.25 廃車
EF1545 手元に残っていたサービス版のプリントより発掘しました。ISO(当時はASA)800のカラーネガの撮影で粒子が荒いです。 山手貨物線・原宿を恐らく同じ八王子区のEF60と重単で通過する姿です。ちなみにEF60先頭のケツ撃ちですが、45号機側も両パンが上がっていて、4つのパンタが並ぶ姿はなかなか壮観です。
原宿駅の線路端も現在はオシャレな看板が立ち並びこの写真とはすっかり雰囲気が変わっていますが、後ろに見えるビルには現在も残っている物があります
原宿 1979
ef5853-EF1545 EF5853さん撮影の45号機[八]牽引のスロ62系6連[静ヌマ] 。
「前日夜に八王子着の為、この日の原宿はすごいものでした。列車番号不明(どなたか記録してませんか??)」(EF5853さん)
こ、こんなのが走ってたなんて…。う〜ん、渋すぎ!(^_^;)
撮影:EF5853さん  原宿 1979.11.17
ef5853-Ef1545b 同じくEF5853さん撮影の東海道本線を行く45号機牽引の常磐ハワイアンセンター号。 東海道本線を客レを牽いて堂々と走る姿がたまりません。
撮影:EF5853さん  有楽町 1979.12.3
ohno-ef1545 東海道貨物線を行く新鶴見区時代の同機です。
撮影:ohnoさん   鶴見―新子安 1977.7.20
BIN-EF1545 同じく新鶴見区時代の姿です。こちらは1エンドのL側です。本機は昭和54年(1979年)1月24日付で八王子区に転属、その後1年あまりで廃車になっており、八王子区での臨客の牽引など最後の活躍は同機にとって良き贐になった事でしょう。
撮影:BINさん  279レ  入江 1977.10.6
BIN-EF1545 新鶴見区で憩う45号機の2エンド側のクローズアップ。全検標記は昭和53年(1978年)4月です。全検から半年なのでまだまだ車体の艶が美しいですね。川崎製2、3次形の特徴であるガラリ形通風口にご注目。このガラリ形通風口は他には三菱製2次形にも見られますが、川崎の4段とは異なり3段になっています。
撮影:BINさん   新鶴見機関区 1978.11.4
BIN-EF1545 こちらは2エンドR側で新鶴見区時代の姿です。EF15ではこのR側にはパンタ台に高圧線の引き通し、電気式速度計の検知器が1エンド台車の第2動軸と2エンド台車の第1動軸に取り付けられています。 パンタの台枠はこの時点では黒色です。おそらく1978年4月の全検時にグレーに塗り替えられたと思われます。
撮影:BINさん  279レ  入江 1978.1.11
BIN-EF1545 同じく新鶴見区時代の2エンドR側です。お馴染みの立川駅南武線ホームの脇からの撮影です。夕陽に鈍く光る前面のナンバープレートが印象的です。
撮影:BINさん   立川 1977.2.26

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