日米講和条約の締結により、ドッジラインで4年間凍結されていたEF58の製造が再開されることになり、その際車体を新設計として客車暖房用の蒸気発生装置を搭載することになりました。そうして登場したのが現在も見ることができる流線型の新EF58です。なお、SG1形は開発期間が約1年と短く、様々なトラブルがあり、その後、改良型のSG1A形に全機交換されています。SG1形搭載機(第1次〜第8次増備車)は、SGの排煙口が1エンド側屋根上にガーランド形の物がLR2カ所に設けられていました。
※印…主な特徴です。画像をクリックすると大きなものが表示されます。
昭和27年4月の高崎線電化用として製造されたグループで、流線型の新EF58として初めて登場しました。そのため、旧車体の部品を流用した点など形態的にも多くの特徴がありました。特に最初の35,36号機は製造途中だった箱形の旧車体に流線型の運転席部をくっつけるという大改造の上誕生しています。これは、ドッジラインによりEF58の製造が凍結される前に旧車体として製造が進んでいた為でした。
登場時は、前面窓は大窓で、水切り、つらら切り、前面手すり、前面ステップ、誘導踏段に握り棒もない姿でした。足周りは全機旧EF58と同じ形態で登場しており、前端バリが狭く可動式雪かき器の取付座も持たない姿でしたが、全機上越線に配置された関係で可動式雪かき器取付台座の設置が行われています。また、屋根上の主抵抗器室カバーが1・2位側共同じ大きさでモニタールーフの大きさも第2次増備車以降の物よりも若干小さい物でした。パンタグラフはPS14を装備しています。全機、新製配置は高崎第二で、配置後につらら切り、汽笛カバーの取付が行われています。なお、このうち、35号機のみはSG1形の開発が間に合わず、当初SGが未搭載のまま落成しています。さらに同機のみは雪かき器の固定化に際し前端バリを標準サイズに改修しています。