What about ELECTRIC LOCOMOTIVE EF15


Last Update 2000.2.5

EF1592牽引の団臨


団臨を牽き東海道線を快走するEF1592(八) 浜松町 1980.3.18

 Last Update 2000.2.5

 EF15の略歴

 昭和22年、第2次世界大戦後に国鉄で最初に製造された貨物用電気機関車であり、最後のデッキ付き電気機関車となりました。同時期に製造された旅客用のEF58形とは各部が共通設計の兄弟機でした。
 そのEF58からほんの少し遅れて量産が進められ、戦後の復興を担って全国の直流電化区間で活躍しました。また、1次形は当初上越線を中心に配置されましたが、奥羽本線福島―米沢間の直流電化と共に一部が福島第二機関区に転属し耐寒耐雪装備やタイヤ冷却用の撒水装置を装備して活躍しました。それらはさらに電力回生ブレーキの取付が行われ、新たにEF16として生まれ変わりました。その後、上越線の物も29・30号機を除き電力回生ブレーキを搭載しEF16(第2次形)となっています。
 昭和40年に奥羽本線にEF64が投入されEF161〜10号機はEF15に復元されましたが、11・12号機は回生ブレーキの性能を上越用EF16と同一にし、撒水装置を外し上越線に活躍の場を移しました。

 EF15はEF58と同様、国鉄の電化の進展、日本経済の発展と歩調を合わせ、増備に次ぐ増備で総勢202両という旧形電機の中で最大のグループを形成しました。しかし、貨物用ということであまり大きな舞台に立つこともなく、また、数が多い故にファンからもさほど注目されることなく、その後続々と登場した60番台の新形機に道を譲り、国鉄がJRへと生まれ変わる前に全機が引退していきました。

 このEF15も製造時期による仕様の変更がEF58と同様に行われ、その後の改造などで、初期形を中心に同形式ながら様々なバリエーションがあり、実に興味深いものでした。
 EF15の魅力

以下は私の個人的な意見です。

1.無骨な車体
無骨と言うかシンプルというかあんまり愛想のない(^_^;)、まさに貨物用という感じのずんぐりとした車体。それがある面無駄を省いた機能美という物を感じさせました。

2.無骨な足周り
ずんぐりした車体に戦前の省形電気から引き継いだがっしりした足周り。細い台枠に先輪むき出しという無骨さがたまりません。(@_@)

3.個性に富んだ外観
製造時期による仕様変更やその後の改造などで実に豊富なバリエーションがあり(特に初期形)、趣味的な興味が尽きませんでした。これについては、「EF15各機の紹介」ページをご覧下さいませ。

4.勾配用EF16の存在
1次形は29,30号機を除いて全機回生ブレーキ付きのEF16に改造されており直流時代の奥羽本線米沢〜福島間、上越線水上〜石打間で活躍しました。奥羽線用EF16は早くにEF15に復元されましたが、上越線では廃車まで同じEF15やEF65、EF64牽引の貨物列車やEF58牽引の旅客列車の補機として先頭に立ち、重連で山線を行く姿が実に魅力的でした。
 EF15 主要諸元
 
 
EF15
EF16
車軸配置 1C+C1 1C+C1
運転整備重量 99.80t(1次形)
102.00t(2次形〜)
105.92t
動輪上重量 85.80t(1次形) 84.60t(2次形〜) 90.00t
最大長 17000mm 17000mm
最大幅 2800mm 2800mm
最大高 3867mm(1次形 初期)
3767mm(1次形 後期)
3942mm(2次形〜)
*9〜11は3767mm
3867mm/3767mm
パンタグラフ折畳高さ 3961mm/3861mm(1次形)
3960mm(2次形〜)
*9〜11は3861mm
3961mm/3861mm
全軸距 14500mm 14500mm
動輪径 1250mm 1250mm
固定軸距 4220mm 4220mm
先従輪径 860mm 860mm
一時間定格出力 1600kw(1350v)(1次形 MT41,MT41A)
1900kw(1500v)(MT42)
1950kw(1500v)(MT42F)
1600kw(1350v)
一時間定格引張力 15100kg(1次形 MT41,MT41A)
15900kg(MT42)
16300kg(MT42F)
15100kg
一時間定格速度 39.5km(1次形 MT41,MT41A)
43.9km(MT42)
42.8km(MT42F)
39.5km
最大運転速度 75km 75km
動力伝達方式 一段歯車減速、つり掛け式 一段歯車減速、つり掛け式
主電動機形式 1次形:MT41,MT41A
2次形〜:MT42,MT42F
MT41,MT41A
歯車比 20:83=1:4.15 20:83=1:4.15
制御方式 非重連、三段組み合わせ、弱め界磁制御 非重連、三段組み合わせ、弱め界磁制御
制御装置 電磁空気単位スイッチ 電磁空気単位スイッチ
空気ブレーキ EL14AS EL14AS
電気ブレーキ なし 電力回生ブレーキ
手動ブレーキ ねじ手 ねじ手
主台車 HT61 HT61
先台車 LT129 LT129
製造初年 1947年 1951年(改造)

データ協力:EF5853さん 参考資料:交友社刊「電気機関車展望1」 
 


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