先輪後位側バネ吊り・バネ吊りリンク部分

EF15の特徴の一つとして、台車主台枠をEF58と共通化し前端梁の違いでEF58のHT60とEF15のHT61とで台車を作り分けた点があります。その為、EF15は先台車の担いバネの取り付け方法が従来の先輪1軸の省形電機と少々異なっています。

先輪の担いバネは第1動軸の担いバネと釣り合い梁で結ばれますが、HT61台車は主台枠が先輪手前で切れ、その部分に前端梁がボルトで締結された為、その前端梁を避けて動軸から伸びた釣り合い梁が台車台枠の外側に張り出しています。その為、幅の狭い前端梁側面に固定された先輪前位側バネ吊りリンクと結ばれた先輪担いバネは上から見るとハの字状に広がって動軸の釣り合い梁と結ばれています。(言ってること分かりますかね?)

その先輪の担いバネと第1動軸の釣り合い梁を結ぶバネ吊り・バネ吊りリンクとそれに連結する釣り合い梁の先端部分(下の写真の赤丸で囲んだ部分)の形状が標準タイプと三菱製の一部に見られるタイプの2種類が存在します。

三菱独自のタイプは通常2枚の鋼板で構成されるバネ吊りリンクが丸棒で、それに連結するバネ吊り及び釣り合い梁の先端の形状も独特な物となっています。写真をご覧頂ければ一目瞭然です。このタイプのバネ吊り装置は三菱製の先輪後位側のみに見られる形態で、1次形の24(EF1629),25(EF1631)号機と第2次〜第10次形まで(59、86号機は標準形)の特徴です。その後は三菱製でもこの部分は標準タイプになっています。

標準のバネ吊りリンク(EF1511 撮影:BINさん) 三菱独自のバネ吊りリンク(EF1537 撮影:BINさん)